Clash for Androidを初めて使う場合、最初に迷いやすいのは「サブスクリプションをどこへ登録するか」「追加したノードをどう選ぶか」「接続できているかをどう確認するか」という3つのポイントです。Android版Clashは、配布元やコアの種類によって画面名が少し異なりますが、基本的な流れは共通しています。この記事では、サブスクURLの登録、設定ファイルの更新、プロキシグループでのノード切り替え、VPN接続モードの変更までを、実際の操作順に沿って説明します。

Android版Clashを始める前の確認

Android向けのClashクライアントには、Clash for Android系のアプリや、Mihomo(旧Clash.Meta)を搭載した派生クライアントがあります。アプリによって「Profiles」「設定」「プロファイル」など表示名が異なるため、記事中の名称と完全に一致しない場合があります。ただし、プロファイルを追加する画面プロキシを選ぶ画面VPNを開始するボタンの3か所を探せば、ほとんどの操作に対応できます。

インストール後は、まず次の項目を確認してください。

  • Androidのバージョンがアプリの動作要件を満たしていること。
  • サブスクリプション提供元から発行されたURL、または設定ファイルのURLを用意していること。
  • サブスクURLに有効期限、通信量、同時接続数などの制限がないこと。
  • 初回登録時だけは、通常のインターネット接続でURLへアクセスできること。
  • VPN接続を開始するため、AndroidのVPN接続要求を許可できること。
サブスクURLは他人に共有しないでください:URLに認証情報が含まれている場合、第三者が同じノード一覧を取得できます。公開チャットやスクリーンショットにURLを載せず、漏えいした可能性があるときは提供元で再発行または無効化してください。

サブスクリプションを登録する方法

サブスクリプションは、複数のプロキシノードやルール設定をまとめて取得するためのURLです。1つずつノードを手入力するよりも簡単で、提供元がノードを追加・削除した場合も更新操作だけで一覧を反映できます。登録前に、URL全体が欠けていないか確認してください。特に末尾のトークン、?以降のパラメータ、英数字の大文字小文字が重要です。

  1. Clash for Androidを開き、「Profiles」「プロファイル」または「設定ファイル」を表示します。
  2. 画面上部または右下にあるボタンをタップします。
  3. 「URL」「Remote」「リモート」など、ネットワーク経由で追加する項目を選択します。
  4. サブスクリプションURLを入力し、分かりやすい名前を設定します。例として「メイン回線」や「2026年用」などを付けると管理しやすくなります。
  5. 保存、追加、確認のいずれかのボタンをタップし、プロファイル一覧に戻ります。
  6. 追加したプロファイルの更新ボタンをタップし、ダウンロードが完了するまで待ちます。

更新後もノードが表示されない場合は、URLの入力ミスだけでなく、サブスクリプションの形式も確認します。Clash用のYAMLを返すURLもあれば、Base64形式のプロキシ一覧を返すURLもあります。アプリが対応していない形式を取得すると、追加自体は成功してもノードが空になることがあります。また、通信量の上限を超えた、契約が期限切れになった、提供元側でURLが変更されたという可能性もあります。

表示される状態 主な原因 確認すること
更新に失敗 URLが無効、通信不可、期限切れ ブラウザでURLを開けるか、契約状態を確認
プロファイルはあるがノードがない 形式が非対応、内容が空 提供元がClash/Mihomo向けURLを発行しているか確認
一部のノードだけ表示 提供元のフィルターや地域制限 別の地域設定やサブスク設定を確認
更新が極端に遅い URL先の障害、DNSやネットワークの問題 Wi-Fiとモバイル通信を切り替えて再試行

プロファイルを更新してノード一覧を確認する

サブスクリプションは一度登録すれば永久に最新になるわけではありません。サーバーの入れ替え、ポート変更、証明書更新、利用期限の反映などのために、定期的な更新が必要です。プロファイル画面に更新日時が表示されている場合は、古い日時のプロファイルを選んで更新アイコンを押します。

更新時には、現在の通信を一時的に中断するアプリもあります。動画視聴や大容量ファイルの転送中は避け、安定したWi-Fi環境で実行すると安全です。更新後は、プロキシグループ名やノード名が以前と変わっていないか確認してください。提供元が設定全体を置き換えるタイプの場合、手動で追加した設定が消えることもあります。

複数のプロファイルを登録している場合は、現在有効なプロファイルを明確にします。古いプロファイルを選択したままでは、新しく追加したノードがプロキシ画面に表示されません。プロファイル名の横にチェックマーク、色付きのインジケーター、または「Active」といった表示があるものが現在使用中の設定です。

プロファイル名には取得元と用途を入れると便利です。たとえば「Provider-A / Main」や「旅行用 / JP」のように記録しておけば、似た名前の設定を誤って選ぶリスクを減らせます。

ノードとプロキシグループを切り替える

ノード一覧が表示されたら、次は実際に通信へ使用するノードを選択します。Clashの設定では、ノードが直接並んでいるのではなく、通常は「Proxy」「PROXY」「自動選択」などのプロキシグループにまとめられています。最初にグループをタップし、その中から個別のノードを選ぶという二段階の操作になる点が重要です。

  1. メイン画面で「Proxies」「プロキシ」または「Proxy Groups」を開きます。
  2. 最上部付近にある「Proxy」「GLOBAL」などのメイングループをタップします。
  3. 一覧から利用したいノードを選択します。選択中の項目にはチェックマークが表示されます。
  4. 自動選択グループの場合は、「URL Test」「Auto」などを選ぶと、設定されたテスト結果に基づいてノードが選択されます。
  5. 戻るボタンでメイン画面へ戻り、選択状態が保存されたことを確認します。

ノード名の横に表示される数値は、HTTPテストや接続テストのレイテンシであることが多く、数値が小さいほど応答が速い傾向があります。ただし、レイテンシが最小のノードが常に最適とは限りません。動画では帯域幅、ゲームでは安定性、Web閲覧では接続先との相性が重要です。テストが成功していても、特定のサイトだけ開けない場合は別のノードへ切り替えて比較してください。

選択方法 特徴 向いている使い方
手動選択 指定したノードを固定して使用 接続先や速度を自分で管理したい場合
自動選択 テスト結果を基準にノードを選択 普段のWeb閲覧やノード選びを簡単にしたい場合
Fallback 障害時に別のノードへ切り替え 特定ノードを優先しつつ可用性も確保したい場合
DIRECT プロキシを使わず直接接続 通常の通信とプロキシ通信を比較する場合

VPN接続モードとルールモードを設定する

ノードを選択しただけでは、Android端末全体の通信がClashを通るとは限りません。メイン画面の開始ボタンをタップし、AndroidのVPN接続要求で「許可」を選ぶ必要があります。初回のみシステム確認画面が表示されることがあり、許可しない場合はClashが起動していても通信は通常経路のままです。

動作モードには、一般的にRuleGlobalDirectの3種類があります。Ruleモードでは設定ファイルのルールに従い、対象サイトやアプリだけをプロキシへ送ります。Globalモードでは、ほぼすべての通信を選択中のプロキシへ送ります。Directモードは、Clashを経由させずに直接接続する確認用のモードです。

  • Rule:普段使いに適しています。国内サービスやローカル通信を直接接続し、必要な通信だけをプロキシへ送ります。
  • Global:ルール設定を検証したい場合や、すべての通信を同じノードから送る必要がある場合に使います。
  • Direct:Clashを停止せず、直接接続時の速度やサイトの状態を比較できます。

AndroidのVPNアイコンが表示されない場合、VPN許可が取り消されている、別のVPNアプリが動作している、省電力機能がClashを停止しているといった原因が考えられます。ほかのVPNアプリを終了し、Clashをバッテリー最適化の対象外に設定してください。端末メーカーによっては、自動起動、バックグラウンド実行、常時接続VPNの設定も確認する必要があります。

接続できないときの確認手順

接続できない場合は、いきなりサブスクを削除せず、原因を一つずつ分けて調べます。まずVPNが開始されているかを確認し、次にノード単体のテスト結果を確認します。すべてのノードが失敗するならサブスクやネットワークの問題、一部のノードだけ失敗するならノード側の障害である可能性が高いでしょう。

  1. ClashがVPN接続中であることをAndroidの通知領域で確認します。
  2. プロファイルの最終更新日時と、更新エラーの有無を確認します。
  3. 現在のノードを別の地域または別のプロトコルのノードへ変更します。
  4. RuleモードとGlobalモードを切り替え、ルールによる誤判定がないか確認します。
  5. DNS設定を変更した直後なら、Clashを再起動してDNSキャッシュを更新します。
  6. Wi-Fiとモバイル通信を切り替え、ネットワーク側の制限かどうかを比較します。

特定のアプリだけ通信できない場合は、そのアプリがVPN、プロキシ、UDP通信、独自のDNS機能をどのように扱うかを確認します。銀行アプリや動画アプリなどは、接続元地域の変化やVPN利用を検知して通信を制限することがあります。また、Androidの「常時接続VPN」や「VPN接続なしでは通信を許可しない」設定を有効にすると、Clashが停止した際にすべての通信が遮断される場合があります。安全性を優先する設定ですが、意図を理解してから利用してください。

証明書エラーを無視しないでください:「証明書検証をスキップ」や類似の項目を有効にすると一時的に接続できることがありますが、通信相手の正当性を確認できなくなります。原因が分からないまま常用せず、正しいサーバー名、SNI、端末時刻、提供元設定を確認してください。

Clash for Androidの基本操作は、サブスクを登録する、プロファイルを更新する、プロキシグループでノードを選ぶ、VPNを開始するという順番で覚えると簡単です。まずはRuleモードと安定したノードから試し、速度や接続先に問題があるときだけ別のノードやGlobalモードを比較すると、設定を複雑にしすぎず原因を切り分けられます。Android端末で安定した通信環境を作るには、アプリの設定だけでなく、サブスクの有効期限、VPN権限、省電力設定も定期的に確認してください。

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