Clash Verge Revの購読設定は、プロバイダーから取得したYAMLを直接編集しなくてもカスタマイズできます。そのために使うのがMixin機能です。Mixinは、購読ファイルを読み込んだあとに追加のYAML設定を重ね合わせる仕組みで、DNS、プロキシモード、ログ、TUN、ルール、プロキシグループなどを自分の環境に合わせて調整できます。この記事では、Windows版Clash Verge RevでMixin設定画面を開く方法、YAMLを登録する手順、設定が正しく適用されたかを確認する方法、そして失敗しやすいポイントまで初心者向けに解説します。

Mixinとは何か

Mixinは、購読元の設定に対してローカル側の追加設定を適用する機能です。通常、購読リンクから取得した設定ファイルにはプロキシサーバー、プロキシグループ、ルール、DNSなどがまとめて記述されています。しかし、そのファイルを直接編集すると、次回の購読更新で変更内容が上書きされてしまいます。

Mixinを使う場合、購読ファイルそのものには手を加えません。Clash Verge Revが購読設定を読み込んだあと、Mixinに保存したYAMLを上から適用します。これにより、購読元のノード情報を維持したまま、自分で指定した項目だけを変更できます。たとえば、購読側のサーバー一覧はそのまま利用し、DNSだけを変更する、システムプロキシは有効にするがTUNは使わない、といった運用が可能です。

  • 購読ファイルを保護できる:プロバイダーからの更新で自分の変更が消えにくくなります。
  • 変更点を管理しやすい:自分で追加した設定だけをMixinにまとめられます。
  • 複数の購読に応用できる:共通のDNSやログ設定を複数プロファイルで使えます。
  • トラブル時に戻しやすい:Mixinを無効化すれば、元の購読設定に戻して確認できます。
基本方針:Mixinには「自分が変更したい項目」だけを書きましょう。購読ファイル全体をコピーして貼り付けると、更新時の差分確認が難しくなり、重複設定や競合の原因になります。

WindowsでMixin設定画面を開く

まずWindowsでClash Verge Revを起動し、メイン画面を表示します。バージョンによって表示名や配置が少し異なる場合がありますが、基本的には左側のサイドバーまたは設定メニューからSettings設定、またはMixinに相当する項目を開きます。アプリの表示言語を日本語にしている場合でも、内部の項目名が英語で表示されることがあります。

  1. Clash Verge Revを起動します。
  2. 左側のメニューから設定画面を開きます。
  3. Mixin、またはプロファイル関連のMixin設定を選択します。
  4. Mixin機能の有効化スイッチをオンにします。
  5. 表示されたYAML入力欄に追加設定を記述します。
  6. 保存、適用、または更新に相当するボタンを押します。

Mixinの編集欄が見つからない場合は、現在選択しているプロファイルの種類を確認してください。購読プロファイルを選択しているときだけMixin設定が表示されるバージョンや、一般設定の中にMixinエディターが配置されているバージョンがあります。また、Clash Verge Revではなく別のClashクライアントを起動していないか、アプリ名とバージョンも確認してください。

設定前には、現在動作しているプロファイルを一度確認しておくと安全です。プロファイル画面で購読設定を選択し、通常の接続ができること、プロキシグループが表示されることを確認してからMixinを変更します。最初から複数の項目を追加すると、エラーが発生した際に原因を特定しにくくなります。

Mixin YAMLの基本的な書き方

Mixinで重要なのは、YAMLのインデントと階層です。YAMLでは通常、インデントにスペースを使います。タブを使ったり、同じ階層のキーをずらしたりすると、保存時またはプロファイル更新時に解析エラーが発生します。Mixin欄には、通常の設定ファイルにあるトップレベルの項目を必要な分だけ記述します。

最小構成のMixin例
# Mixinで変更したい項目だけを記述
mode: rule
log-level: info

dns:
  enable: true
  enhanced-mode: fake-ip
  nameserver:
    - 1.1.1.1
    - 8.8.8.8

上の例では、動作モード、ログレベル、DNS設定を上書きします。購読元に記述されたプロキシノードやルールをすべて置き換えるものではありません。ただし、同じトップレベル項目の中に複数の値がある場合、どのように結合されるかはClashコアやClash Verge Revの実装に依存します。特にリスト形式の項目は、単純に追加される場合と、Mixin側の内容で置き換わる場合があるため、適用後の設定を確認してください。

コメントは設定の説明に役立ちますが、値の後ろにコメントを付ける場合は、意図しない文字列にならないよう注意します。文字列には必要に応じて引用符を付け、ポート番号や真偽値は形式を守って記述します。truefalseは小文字で書き、8080のようなポート番号に不要な引用符を付けない方がトラブルを避けやすくなります。

Windowsでよく使うMixin設定

Windows版で最初に調整しやすいのは、動作モードとDNSです。mode: ruleを指定すると、ルールに応じてプロキシまたは直接接続を選択できます。すべての通信をプロキシに送るグローバルモードは分かりやすい一方、Microsoftのサービス、プリンター、社内ネットワーク、ローカルデバイスなどが正常に動作しない場合があります。普段使いではルールモードを基本にし、必要な通信だけをルールで調整する方法が扱いやすいでしょう。

DNSを変更する場合は、既存のDNS設定との関係を確認してください。fake-ipはドメイン名を基準にルールを適用しやすく、TUNモードと組み合わせる場合にも便利です。一方、ゲーム、LAN機器、企業内システム、特定のVoIPアプリでは実IPが必要になることがあります。その場合はfake-ip-filterで除外します。

Windows向けDNS Mixin例
dns:
  enable: true
  enhanced-mode: fake-ip
  fake-ip-range: 198.18.0.1/16
  fake-ip-filter:
    - '*.lan'
    - '*.local'
    - 'localhost.ptlogin2.qq.com'
    - '*.msftncsi.com'
  nameserver:
    - 1.1.1.1
    - 8.8.8.8

ログレベルもMixinで管理できます。接続問題を調べるときはlog-level: infoが便利ですが、常時デバッグログを有効にするとログが増え、原因を探しにくくなることがあります。普段はinfoまたはwarningにして、詳細な診断が必要なときだけ一時的に変更するのがおすすめです。

  • silent:通常の画面表示を抑えたい場合に使用します。
  • error:エラーだけを確認したい場合に向いています。
  • warning:警告とエラーを中心に確認できます。
  • info:一般的な動作確認に適しています。
  • debug:詳細な診断用ですが、常用には向きません。

TUN、プロキシグループ、ルールを調整する

Windowsでアプリごとのプロキシ設定を減らしたい場合は、TUNモードをMixinで有効化する方法があります。TUNはブラウザーだけでなく、システムプロキシに対応していないアプリの通信もClashへ取り込める可能性があります。ただし、管理者権限、仮想ネットワークアダプター、Windows Defender Firewallの許可が必要になることがあります。TUNを有効にして通信できなくなった場合は、まずMixinを無効化して原因を切り分けてください。

TUNモードのMixin例
tun:
  enable: true
  stack: mixed
  auto-route: true
  auto-detect-interface: true

auto-routeauto-detect-interfaceは便利ですが、VPN、仮想マシン、Docker、ゲーム用ランチャーなどが複数のネットワークアダプターを作成している環境では、経路が複雑になる場合があります。TUNを使う前に、既存のVPNソフトや他のプロキシアプリを終了し、通信経路を一つに整理しておくと確認しやすくなります。

プロキシグループを変更する場合は、購読元に存在するグループ名とノード名を正確に指定する必要があります。名前が少しでも異なると、存在しないプロキシを参照してエラーになります。購読更新でグループ名が変わる可能性がある場合は、Mixinで複雑なグループを固定するより、Clash Verge Revのプロファイル設定で手動選択する方が安定することもあります。

ルールを追加するときは、既存ルールの順番が重要です。Clashは上から順番にルールを評価するため、広い範囲を対象にするルールを先頭へ置くと、後続の細かいルールが実行されません。特定ドメインだけを変更したい場合は、より具体的なルールを適切な位置に置き、最後の汎用ルールにすべて吸収されないようにします。

保存後にMixinの適用を確認する

YAMLを入力しただけでは、必ずしも現在の通信へ反映されるとは限りません。保存または適用ボタンを押したあと、プロファイルを再読み込みする、Clashコアを再起動する、あるいは設定の更新操作を行う必要がある場合があります。画面にエラーが表示されていないことだけでなく、実際の状態を確認することが大切です。

  1. Mixinを保存し、エラー表示がないことを確認します。
  2. 選択中のプロファイルを再読み込みします。
  3. 必要に応じてClash Verge RevまたはClashコアを再起動します。
  4. 設定画面でモード、DNS、TUNの状態を確認します。
  5. テストサイトや普段使うアプリで通信を確認します。
  6. 接続一覧やログで、想定したルールとプロキシグループが使われているか確認します。

DNSを変更した場合は、Windows側のDNSキャッシュが残っていることがあります。設定反映後も古い結果が表示される場合は、コマンドプロンプトを管理者として開き、ipconfig /flushdnsを実行してからブラウザーを再起動します。ブラウザー独自のDNSキャッシュや、ブラウザーのセキュアDNS機能がClashのDNS処理と競合することもあるため、検証時にはそれらの設定も確認してください。

TUNを確認する場合は、ブラウザーだけでなく、システムプロキシに対応していないアプリも一つ試します。ただし、銀行サイト、社内システム、オンラインゲームなど、接続経路の変更が問題になるサービスを最初のテスト対象にするのは避けましょう。まずは一般的なWebサイトで接続、名前解決、速度、切断の有無を確認してください。

エラーが出たとき:Mixinをいったん無効化し、最後に追加した項目から一つずつ戻します。複数の設定を同時に変更すると原因が分かりません。特にインデント、スペル、プロキシグループ名、YAMLのコロン、リストのハイフンを確認してください。

安全に運用するためのポイント

Mixinは便利ですが、購読ファイルの内容を完全に理解せずに大きな設定を上書きすると、意図しない動作につながります。最初はmodelog-levelなど影響範囲が分かりやすい項目から始め、動作を確認してからDNS、TUN、ルールの順に追加するのが安全です。

  • Mixinを変更する前に、現在の設定内容をバックアップします。
  • 一度に一つの目的だけを変更し、変更日時と内容をメモします。
  • DNS、TUN、他社VPNを同時に変更しないようにします。
  • 購読更新後は、グループ名やコアの互換性を確認します。
  • 不要になった設定はコメントアウトせず、整理して削除します。
  • 機密情報や購読URL、UUID、パスワードを公開・共有しないようにします。

また、Mixinは「すべての設定を強制的に修正する機能」ではありません。購読側の仕様やClashコアのバージョンによって、結合の結果が変わることがあります。設定を長期間使う場合は、Clash Verge Revを更新したあとにプロファイルの読み込み、DNS解決、プロキシ選択、TUN通信を簡単に再テストしてください。バージョンアップで項目名や対応状況が変わった場合も、エラーを早期に発見できます。

WindowsでClash Verge Revを継続的に使うなら、Mixinには自分の環境に固有の調整だけを残すのが理想です。購読ノードの管理は購読設定に任せ、共通のDNS、動作モード、必要最小限の除外ルールをMixinにまとめると、更新にも強く、トラブル時にも戻しやすい構成になります。設定を小さく保つことが、安定したプロキシ環境への近道です。

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